歯科医院で使われている「フッ素」とは、「フッ素化合物」を略して言われているものです。 フッ素単体では毒性の強い物ですが、フッ素化合物になると途端に安定した物質に姿を変えます。
フッ素を塗布することで、歯の表面にフルオロアパタイトという強い結晶構造ができます。 そして、歯の表面のエナメル質が強くなり歯が溶けにくくなります。
脱灰とは: 虫歯菌(ミュータンス菌)がつくる酸により歯の表面を溶かすこと。
再石灰化: 唾液中の成分が、脱灰によって失われた部分を補充してもとの状態に戻してくれます。自力で初期の虫歯を修復しているのです。これが再石灰化です。 フッ素塗布によりこの再石灰化を促進します。
歯みがきで落としきれなかったプラーク(歯垢)が作るむし歯の原因菌の働きを弱め、プラークが作る酸の量を抑えてくれます。
3才児歯科健康検査の虫歯の状況をみると、1才6か月から半年に1回の間隔で定期的にフッ素塗布を続けた幼児は、新しく出来た虫歯の数が、フッ素を塗布しなかった幼児と比べて46%の減少を示しています。
・小児期のフッ化物洗口が成人期にもたらす効果(DMFT)
フッ素単体自体は危ない物質ですから、過剰に摂取するのはお勧めはしませんが、塩だって砂糖だって取りすぎれば体に悪いのと同じで、使用頻度、使用料を注意すれば、安全に使用できます。
ちなみに市販のフッ素配合の歯磨き粉を2本分一気に飲み込んでも急性中毒の症状は出ないと言われています。
最近では、市販の歯磨き粉にもフッ素が含まれているものがあります。 しかし、市販されているものは、フッ素濃度が抑えられています。
歯科医院では、ドクターの管理のもと、市販よりも高い濃度のフッ素を安全に塗布することができます。
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